近所を散歩すると、どこからともなく金木犀の香りが漂ってきます。
それは、大通りを挟んだ隣の区や、小さな川を挟んだ向かいの区でも金木犀の香り。
きっと、あなたの町でも金木犀の香りがしていることでしょう。
母と私
母は、金木犀の香りが嫌いです。
私がまだ小学生の頃だったかな。毎年この時期になると
「あぁ、金木犀がくさい!ほんとやめて欲しいわ。」と感情をあらわにしていました。
そんな事を、わざわざ口に出して言わなくてもいいのに。
私は母と違い、金木犀の匂いが好きなので、いつもそう思っていました。
しかし、それを口に出そうと思ったことはありません。
あの頃の母は、子供の私にとってとても大きい存在だったので
小さいながらに、怒らせてはいけないと感じていたのかもしれません。
しかし近年では、彼女の口からその言葉を聞くことがなくなりました。
毎年言っていたから、言い飽きてしまったのかな。
もし今、あの言葉を聞いたら
私は彼女に、言わなくても良いことを言ってしまうのでしょうか。
通学路
私が通ったどの通学路にも、金木犀はありました。
そしてどの道にも、忘れた頃に次の金木犀が立って待っています。
金木犀の匂いは、毎朝、集団登校で学校に行く時だったり
友達と一緒に、ふざけながら学校から帰る夕方だったり、
まるで金木犀みたいな色の夕日を見た、あの時が
香りと共に、ふわっと蘇ります。
何でもなかった日常の中に、金木犀は香りの栞を挟んでいて
今年もこうやって、何でもなかった色んな事を思い出しています。
何でもなかったはずなのに。秋はどうして、こうも切なくなるのでしょう。
気分転換の散歩は、懐かしい匂いと共にあの頃の日常も連れて来てくれました。
また来年、金木犀の香りであの頃に会えるでしょう。
今日はここまで。
それでは、また^^
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